2025/06/02 15:00
浜直農園の畑仕事記を、まとめてみました。詳しい内容は、以下のページで紹介しています。

①春(3~5月)のさつまいも農家の畑仕事 ~苗づくり~
②春(3~5月)のさつまいも農家の畑仕事 ~苗植え~
③夏(6~8月)のさつまいも農家の畑仕事 ~管理作業~
④秋(9~11月)のさつまいも農家の畑仕事 ~収穫~
⑤秋(9~11月)のさつまいも農家の畑仕事 ~つらさげ芋づくり~
⑥冬(12~2月)のさつまいも農家の畑仕事
①春(3~5月)のさつまいも農家の畑仕事 ~苗づくり~
さつまいもは、苗を畑に植えて育てていきます。
その苗というのは、種芋から伸びてきた苗を切って、植えていきます。
ということで、種芋を土に埋めていかなければなりません。
この埋める作業を伏せこみと言います。
伏せこんだところを、苗床と言います。
そして、さつまいもは寒さに弱いので、苗床を保温しないといけません。
ビニールハウスや、ビニールトンネルという方法で温めます。
伏せこんでから1ヶ月もすれば、種芋から苗がでくるでしょう。
しっかり保温できていればです。
ビニールが強風などで飛ばされてしまっては、保温ができません。
風が強かった日などは、しっかり確認しておくことが大事です。
もちろん、苗が伸びて来てからも、しばらくは温度管理などはしなければなりません。
その他、水やりや、必要に応じて追肥などもします。
苗づくりは、しっかり管理していくことが重要です。

②春(3~5月)のさつまいも農家の畑仕事 ~苗植え~
苗床の苗が大きくなってきたら、畑の準備もしなければなりません。
畝を作らなければなりません。
蒲鉾型に土を盛り上げて、マルチという黒いビニールで覆います。
これも綺麗に蒲鉾型にしておかなければ、風でマルチが、めくれたりして最悪です。
めくれてしまうと、風でさらにバタバタとなって、せっかく植えた苗を傷つけたりしてしまいます。
ピシッと綺麗な畝を作るようにしなければなりません。
畝ができたら、苗床の苗を切って植えていきます。
畝に差し込むのですが、垂直に差したり、傾けて差したり、農家によって様々です。
浜直農園もいろいろ試しましたが、どれが正解か正直言うのが難しいです。
また、植えるのは雨が降る前などがおすすめです。
早めに土に根付きます。
そして雨で、苗は大きくなっていきます。
こうしたことに気を付けながら、植え付けを行っています。

③夏(6~8月)のさつまいも農家の畑仕事 ~管理作業~
さつまいもに限らずですが、やはり植えた野菜には愛情を注がなければなりません。
植えたら、あとは勝手に育つという意識ではいけないと感じます。
さつまいもは、手がかからないと言ったりしますが、決してそうではないと年々強く思います。
まずは、病害対策。
さつまいも基腐病という病気が、近年萬栄しています。
これは感染したら、周りの苗にも伝染するので、早期発見、早期除去が鉄則です。
いちばん管理する必要があるのは、雑草かもしれません。
畑の主導権を、さつまいもが取るか、雑草に奪われるかで、出来が変わってきます。
一度、散々な目に遭った浜直農園は、それ以降はしっかり雑草管理をしています。
他にも、病害や獣害といった、気にしとくことがあります。
異変に気づいたら、早めに対策しなければなりません。
管理作業は、さつまいもへの愛情と思って、徹底してまいります。

④秋(9~11月)のさつまいも農家の畑仕事 ~収穫~
9月になると、いよいよ収穫を意識し出します。
まずは試し掘りをして、収穫スケジュールを考えていきます。
収穫をする前は、畝の上に茂った芋づるを払わないといけません。
つるが残っていると、収穫の邪魔になります。
つる払い専用の機械があります。
これを収穫前日までに終わらせています。
いよいよ、いもを土から掘り起こすのですが、これも機械をしようします。
いろいろな機会がありますが、浜直農園ではトラクターの後ろに掘り取り機を装着して、掘り起こしていきます。
トラクターが畝をまたいで、さつまいもを次々に、地上に掘り上げていきます。
この時初めて、畑の芋たちとご対面となります。
掘り上げた後は、手作業で芋たちを籠に入れて行きます。
なかなか面倒な重労働ですが、一つ一つ傷がつかないように丁寧にやっていきます。

⑤秋(9~11月)のさつまいも農家の畑仕事 ~つらさげ芋づくり~
垂水市大野地区は標高550mの高冷地で、その気候を生かした独自の熟成方法によってなる「つらさげ芋」があります。
山間の寒風に当てることによって、さつまいもがキューっと甘くなります。
さつまいもは寒さに弱く、寒風に当たると身を守ろうと、デンプンを糖へと変えていくという原理を利用しています。
このつらさげ芋作りも、収穫時期に行っています。
収穫時に、あらかじめ、状態のよさそうな芋を選別しておきます。
状態が良いというのは病気に感染していなさそうのものや、傷のないものなどです。
一ヶ月、寒い厳しい環境にいるので、状態の良いものを選ばなければなりません。
一個傷んでしまうと、周りのさつまいもも道連れにしてしまいます。
これらの良い芋を、つるが付いた状態で、紐で縛り上げて、倉庫や軒先などに吊るしていきます。
作業中に傷つけないように、丁寧にやっていく必要があります。
そして、吊るしてからは、一ヶ月以上温度管理などを徹底して、熟成させていきます。
こうして、「幻のさつまいも」と言われる、つらさげ芋が完成していきます。

⑥冬(12~2月)のさつまいも農家の畑仕事
冬は農閑期と言ったりしますが、あまりすることはありません。
何か育てようと思っても、寒いと育ちません。
やることは、畑の片付けです。
さつまいも収穫後の畑は、残渣などもあります。
これらが、翌年まで残っていると、病気のもとになったります。
そのため、トラクターで耕うんすることで、粉々にしていきます。
浜直農園では、次の春までに、数回は耕うんしています。
残渣を細かくしていることで、土に分解されやすくするためです。
冬は寒いですが、地道に土づくりを続けることが大事だと思います。
