2025/06/30 15:14
●何も知らないかったからこその失敗の数々
浜直農園は鹿児島県垂水市のサツマイモ農家(紅はるか)です。
2018年より、新規就農しました。
それまでは、サラリーマンをしていて、農業とはほぼ無縁でした。
実家も農家ではありません。
親戚にも農家はいません。
ですので、脱サラして、正真正銘ド素人から始まった、新規就農者です。
ここまでド素人だったら、相当失敗をしてきました。
自然相手ですので、想定外のことが起こります。
そんな畑での失敗談、特に失敗だらけの一年目を振り返っていきたいと思います。
【イノシシ被害】
過去の記事も、ぜひ読んでいただけると嬉しいです↓
☆農業失敗談 まとめ☆
①脱サラしてから、おいしい焼き芋ができるまで ~獣害~
②脱サラしてから、おいしい焼き芋ができるまで ~病害~
③脱サラしてから、おいしい焼き芋ができるまで ~暴風~
④脱サラしてから、おいしい焼き芋ができるまで ~雑草~
●良い機械化のすすめ
サツマイモを育てるためには、畑に畝を作らないといけません。
農家の人たちは、畝立てと言ったりします。
畑に蒲鉾みたいな形の列を、見たことがある方も多いと思いますが、それのことです。
多くは、ビニールマルチと言って、黒や白のビニールを被せていることが多いです。
熟練農家さんだと、この列がきれいに揃ってできています。
ピシャっときれいに蒲鉾状にできている畝ほど良いのです。
そして、この畝はビニールマルチを貼るのを含めて、機械で行います。
それなりの大きさの農地では、トラクターのお尻に、畝立てをする機具を装着してすることが多いかと思います。
鍬を持って手作業だと、きれいな蒲鉾型にできないし、途方もない時間がかかってしまいます。
幸い、私の一年目は地元農家さんにレンタルさせてもらい、畝立てができました。
が、少し調子が悪かったのでしょう、畝がきれいに蒲鉾型になりません。
ゴツゴツした部分もある畝に仕上がりました。
私の技術のなさも影響したと思います。
ちなみに、他の方にもお借りしたのですが、こちらは結構きれいな畝に仕上がりました。
こちらは新しい機械だったので、私の技術不足もカバーしてくれました。
この畝の出来の差が、後々とても勉強になりました。
良い農業機械は必要です。

【きれいな蒲鉾型の畝】
●標高550mの春の嵐
春先は寒気と暖気が上空でぶつかり合い、荒れた天気が多いです。
特に標高550mの大野地区は、凄まじい風が吹く日があります。
もちろん、一年目にこうした知識は全くありませんでした。
そして、身も飛ばされそうな嵐の日は突然やってきました。
強風がボコボコの畝に当たり、ビニールマルチが、畝の土に接する部分のわずかな緩みを持ち上げていきます。
長時間強風に当たっていると、そのわずかな緩みはどんどん連鎖していきます。
最終的にビニールマルチが、剝ぎ取られてしまいます。
一列、二列と被害が増えていきます。
せっかく作った畝が・・・。
一方、きれいに蒲鉾型にできた畝は、風に持ち上げられる部分がほぼありません。
被害はほぼなかったと思います。
ここまでの歴然な差が出るとは思いもよりませんでした。
剥ぎ取られた、ビニールマルチは風が収まってから、コツコツ手作業で修復していきました。
ビニールを足で抑えながら、再び土を被せていくという、地味できつい作業でした。
丸二日かけて修復しました。
もうこんなキツイ作業は嫌と思いました。
自分で農業機械を買う時は、良い機械を選ばなければと勉強になりました。

【強風で吹き飛ばされたビニールマルチ】
●ワイヤーメッシュのすすめ
大野地区は標高550mの自然いっぱいの山間部です。
人や交通量も少ないので、野生動物もよく見かけます。
昼間隠れていても、夕方以降活発に行動します。
サツマイモの苗植え作業も終わり、梅雨も明け、後は成長を待つのみと楽しみにしていた最初の夏。
ある夜、イノシシが畑に侵入したようです。
朝、畑を見ると、荒らされた跡が
見事に畝ごとひっくり返されていました。
まだ数%の被害でしたが、「一夜にして、こんなにも」と、その破壊力に唖然となりました。
一度、目を付けられた畑は、また狙われます。
翌日も、侵入され、畑を荒らされました。
もうショックで、力が抜けていきそうでした。
一生懸命植えた苗が一晩で・・・。
それでも、地元農家さんたちがいろんな支援をしてくださいました。
使っていない、電気柵を貸してくれたり。
まだ出会って数か月だというのに、そこまでしてもらって本当にありがたかったです。
いろんな手を打ったおかげで、それ以降は被害はありませんでした。
だけど、毎日心配で安心して眠れないことが多かったです。
毎朝早く、畑を見に行く日々でした。
そんな日々を送っていると、近隣の地元農家さんが、ワイヤーメッシュという強固な防護柵を、うちの畑まで回してくれると。
これに囲われた畑は、まずイノシシに侵入されることはないようです。
絶対ではないですが、かなり効果的です。
一緒に設置作業をさせてもらいましたが、それなりに時間がかかります。
もう一度言いますが、出会ってまだ数か月で、そこまでお世話になっていいものかと思うくらいでした。
本当にありがたかったです。

【イノシシに効果てきめんのワイヤーメッシュ】
●支えられて、なんとか乗り越える
こうした失敗を繰り返したわけですが、近くで応援してくださる方々のおかげで初収穫を迎えることができました。
ちゃんと収穫できるかと、眠れない日もありました。
でも、先輩農家さんたちの温かい心に触れ、なんとか収穫に至りました。
もちろん、自分自身がめげずにやるということが一番大事だと思います。
そして、周りの人とも仲良く、協力できるときは協力するという姿勢も大事だと痛感しました。
先輩方もいろんな失敗をして成長してきたようです。
私の失敗も、おそらく経験されているようでした。
そういう中で、協力したり応援することの大事さを教えてくれたと思います。
自然相手の農業は想定外のこともおこりますが、こうしたことを大事にやっていかないといけないと改めて考えさせられました。
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