2025/04/04 17:00
浜直農園は鹿児島県垂水市のサツマイモ農家(紅はるか)です。
2018年より、新規就農しました。
それまでは、サラリーマンをしていて、農業とはほぼ無縁でした。
実家も農家ではありません。
親戚にも農家はいません。
ですので、脱サラして、正真正銘ド素人から始まった、新規就農者です。
ここまでド素人だったら、相当失敗をしてきました。
自然相手ですので、想定外のことが起こります。
そんな畑での失敗談を振り返りたいと思います。
【農業失敗談①】脱サラしてから、おいしい焼き芋ができるまで ~獣害~
【農業失敗談②】脱サラしてから、おいしい焼き芋ができるまで ~病害~
【農業失敗談③】脱サラしてから、おいしい焼き芋作ができるまで ~暴風~
●農業は雑草との闘い
農業に携わる人は、一度は聞いたことがあるかと思います。
「農業は雑草との闘い」という言葉を。
私も、最初の頃は、「まぁ確かにね」くらいに思っていました。
痛い目に遭うまでは。
人はいろいろ慣れてくるものです。
最初は、先輩の教えを忠実に守ります。
二年目、三年目となってくると慣れてきて、いろいろなことを考えます。
それ自体は悪いことではないです。
でも、「もう大丈夫」と思ったときに落とし穴があったりします。
雑草との闘いもそうでした。
●除草剤は使うべきか
就農一年目の春、無事にさつまいも苗の植え付けを終えることができました。
いろいろご指導くださった大先輩にもお礼に行きました。
そこで「除草剤を梅雨入る前に、畝間などに散布しといた方がいいよ」と教えてくれました。
「使いたくないけど、言うこと聞いておこう」と思い、教え通りに散布しました。
その年は雑草に悩まされることなく、さつまいもも収穫できました。
二、三年目も同じことの繰り返し。
いもづくりも、段々と流れなどがつかめてきてました。
少しずつ、「自分の色を出していきたい」という想いも芽生えてきます。
かねてより、他のサツマイモ農家さんのSNSなどで、有機栽培の農家さんの投稿なども参考にしていました。
丁寧に草刈りなどをされていて、「すごいなー」と思っていました。
そこで終わっておけば良かったのですが。
「自分もいけるんじゃない?」と勘違いをしてしまいました。
●欲は出し過ぎたらいけない
四年目は、除草剤を使わずに、栽培してみようとチャレンジしました。
定期的に、畝の間の草を刈ったり、抜いたりしました。
「畝を芋づるが覆えば、雑草の勢いは収まるだろう」と想定していました。

(畑を覆う芋づる↑↑)
ところが、畝を芋づるが覆っても、雑草は結構な勢いで生育していきました。
そして、何とか処理しようとしても、芋づるが覆ってしまうと、作業効率が恐ろしく悪いのです。
全然、追いつかない状況でした。
最終的に、雑草が相当元気な畑となってしまいました。
「農業は雑草との闘い」という言葉を、身に染みて感じた一年でした。
完全に敗北でした。
雑草に栄養を摂られ、さつまいもは大きくなりきれませんでした。
四年目の収穫量は、激減しました。
欲は出すべきではありません。
●雑草が元気だと、農業にならない
「農業は雑草との闘い」です。
夏場の勢いはすごいです。
畑の栄養をジャンジャン吸収してると思います。
いろいろな作業の、効率も悪くなります。
秋の収穫時期に、芋つる払い機も故障したほどです。
他にも、デメリットがあります。
ちょうど基腐病が、まん延していた年でもあります。
雑草が伸びすぎていて、どの苗が感染しているのか、わかりにくいです。
「あっ枯れてる」と思ってからじゃ遅いです。
もう、芋まで傷んでいたり、周りの苗も感染したりしてました。
こうしたことも重なり、収穫量の大激減となったわけです。

(雑草に覆われた畑↑↑)
●尊敬すべき有機農家さん
この苦い経験から、翌年以降は除草剤の散布を再開しました。
有機栽培って、難しいことが、よくわりました。
本当に手間ひまがかかっていて、尊敬します。
浜直農園の限られたマンパワーでは、手が回らないと判断しました。
想いとしては、有機栽培としてやりたいと思っています。
除草剤も極力薄くして使うよう、努力しています。
でも、使うのと、使わないのには大きな差があると、わかりました。
有機栽培でされている農家さん、すごいです。
●雑草との闘いは終わらない
雑草との闘いは、農業をやっている以上は不滅です。
本当に夏場は、死闘です。
それでも、せっかく植えたサツマイモを、大きくしなければなりません。

(失敗の翌年の紅はるかは良い大きさ↑↑)
これからも、上手に闘っていきたいと思います。