2025/04/08 15:30
浜直農園は、主に紅はるかを生産する、鹿児島のさつまいも農家です。
脱サラしてから、知識・経験・コネほぼなしの状態で、新規就農しました。
当初から、「六次産業化」という生産・加工・販売を、手掛けていきたいと思っていました。
2021年ごろから、女性スタッフも増えて、自分たちで焼き芋の甘さを活したスイーツを作りたいと、考え始めました。
そして、第一弾の焼き芋スイーツは「チーズケーキ」でした。
Instagramの効果もあり、良いスタートが切れました。
チーズケーキの開発記についてはこちら
【新商品開発記①】鹿児島を代表するスイーツを作りたくて ~焼き芋チーズケーキ 試作編~
【新商品開発記②】鹿児島を代表するスイーツを作りたくて ~焼き芋チーズケーキ 販売編~
第二弾として作ったのが、「焼き芋パイ」でした。

●焼き芋の甘さを大事に
紅はるかの焼き芋の甘さは、チーズケーキ作りにおいて、非常に参考になりました。
砂糖は相当抑えていいし、焼き芋のやさしい甘さが、お芋好きの方にはたまらないことでしょう。
素材、焼き芋の甘さを大事にする、ヘルシーなスイーツづくりをする、というコンセプトを大事にしていくと誓いました。
そこで、「焼き芋パイ」にいきなり行き着いたわけではありません。
実はそれまでに、プリンやクッキー、蒸しパンなども試作していました。
クッキーについては、テスト的に販売したことも。
いろいろ試作してる中で、パイが行けそうとなっていきました。
焼き芋の甘さ、美味しさを引き立ててくれそうだったからです。

●やっぱり手作りが美味しい
初期の試作は、市販のパイ生地(パイシート)で、焼き芋のペーストで包んでみました。
これはこれで美味しかったです。
しかし、どうしてもパイ生地の味が、焼き芋の良さを消している感じがしました。
味が少し濃かったように感じます。
女性スタッフとの議論の中で、「手作りで作った方がいいかも」という結論になりました。
そのあと、インターネットなどで調べて、実際にパイ生地を手作りしました。
大きさや形はバラバラでしたが、焼き芋ペーストを実際に包んで焼きました。
これが、絶妙な美味しさ。
焼き芋の甘さを引き出す、優しい味のパイ生地でした。
おおよそのレシピが固まった瞬間でした。
やっぱり手作りが一番美味しいと思います。

●何度も試作の末に
味などは決まりましたが、大きさが、なかなか一定になりませんでした。
何度も試作を重ねたり、器具を変えたりしていきました。
その間、一ヶ月以上でした。
最終的に丸いパイとなりました。
丸い型抜きを使用して、形が一定となりました。
これで、ある程度の量産ができるようになりました。
オーナーである私は作ることはできません。
できませんが、スイーツ作りって、いろいろ繊細なんだなと思いました。
パイ生地なんて、暑さで溶けてくることもあるなんて知りませんでした。
いろいろ準備してくれる女性スタッフに、感謝しきりでした。

●はまるお客様も
いざ販売となったのですが、今回はチーズケーキのInstagram効果の余波もありました。
大ブレークとまではいきませんでしたが、チーズケーキと一緒にしっかり売れていきました。
そして、焼き芋パイはまとめ買いされるお客様が、結構いらっしゃいました。
5個くらい買われて、こうおっしゃいました。
「朝ごはん替わりにします」
「友達の家におみやげで買っていきます」
こうして、はまるお客様は、定期的にご購入くださいました。
冬は、焼き立てが、美味しいです。
夏は、冷蔵庫で一度、冷やして食べるのがおすすめです。
砂糖も控えめですので、ヘルシーなスイーツとして仕上がりました。

●コーヒーとの相性は最強
焼き芋と、コーヒーは結構相性がいいです。
私も、たびたびこの組み合わせで、優雅な時を過ごします。
コーヒーの苦みに、焼き芋の甘さが引き立ちます。
そして、この組み合わせ以上に良いのが「焼き芋パイ」です。
パイ生地の優しい味がさらに、甘さと苦みを包み込んでくれます。
幸せな組み合わせです。
一時期、直売所で、コーヒーとスイーツのセット販売をしたことがあるほどです。
それくらい、おすすめしたい組み合わせです。
2025年現在、焼き芋パイの製造は中止していますが、「また売れたりするひがいいな」と思うこともあります。
もし、ご自宅で焼き芋パイを作れる方がいらっしゃれば、ぜひお試しください。
